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本日のDIG ~良曲を探せ~

音楽って素晴らしい。

流行に捉われない俺カッケー的2016年ベストアルバム5選

雑記

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早いもので2016年も終わりが近づいてきた。となれば年間ベストについて語らないわけにはいかないだろう。今年の音楽シーンは豊作だったようで、あちこちの記事では皆さんアツイ文章を書いてらっしゃる。やれ宇多田にサニーデイレッチリ、レディヘ、イーノ、ブルーノマーズなどなど。パンクシーンはHi-STANDARD、ヒップホップからはA Tribe Called Questなどの超意外なリリースもあったとなれば、やはり今年は話題に事欠かない1年だったのだなぁと改めて思う。
残念ながら、皆さんが語っているような“定番どころ”をあまり押さえることが出来なかったのだが(本当に残念)、少量ながらも今年購入したアルバムの中から特に聴いた、又は印象に残っている物を5枚をまとめてみた。いっちょ紹介していきましょう。

ミタカノミタカ的2016年ベスト

Yunomi feat nicamoq - 「ゆのみっくにお茶してEP」

ゆのみっくにお茶して EP 【通常盤】

ゆのみっくにお茶して EP 【通常盤】

当ブログでも紹介したことのあるYunomiのCDデビュー作。ヴォーカルにnicamoq(ex.BPM15Q)を迎えた6曲入りのミニアルバムで、実はほぼ既発曲だったりする。しかもサンクラで全部聴けてしまうのが今風だな~なんて思ったり。とはいえ、以前から注目していたアーティストが初めてフィジカルリリースするのは音楽好きとしても嬉しいものです。
各楽曲は“これぞYunomi節”といったサウンドが満載で、表題曲なんか2年前の曲だったりするのだけど、それでも新鮮味は一切失われていないのがオリジナリティの高さの証。
とにかくKawaii。とにかくアガる。これぞ最先端のPOPSと胸を張って紹介できるアルバム。

feryquitous - 「ZHELE NAUGHT」

Zhelenaught

Zhelenaught

今年は同人音楽にも食指を伸ばし、あれこれ聴いたり関連書籍を読んだりもしたのだが、未だに“同人音楽”と“インディーズ”の違いがよく分かっていない。コミケで買ったから、という理由だけでこの作品を同人音楽と呼んでいいのかはイマイチ理解出来ていないのだが、とりあえず慣例に従って同人音楽と呼ばせて頂こう。
こちらの作品は同人音楽の登竜門と呼ばれるサークルのDiverse Systemからリリースされたデビューアルバム。ブレイクビーツを基盤に、あらゆるジャンルを飲み込んでエクストリームに仕立て上げたこの音楽は、どうやら“Artcore”と呼ばれているらしい。CDを再生した瞬間から初期衝動の一言では収まりきらない音の洪水に飲み込まれてしまう。とにかく圧巻の一言。相当にテクニカルな作品なのだけど、同時に酷く感情的な作品でもあって、聴く度に胸を揺さぶられてしまう。
今年一番聴いた作品。間違いなく傑作。

V.A - 「サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う- ヴォーカルCD」

これは載せるかちょっと迷った……何故ならエロゲーのサントラだからである。しかし、曲単位だったらダントツでこのCDから聴いているので掲載しようと思う。
この作品はアダルトゲーム「サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-」のヴォーカル曲をまとめたもの。その中でもOP及びグランドエンドを飾る「櫻ノ詩」は掛け値なしに名曲。作編曲はMetrowingの松本史紀、ヴォーカルは“はな”という、とりあえず組み合わせとけば勝手に名曲が出来上がる黄金コンビによる渾身の一曲。『オタクが“この曲はエロゲっぽくない”と言って薦めてくる曲は総じてエロゲっぽい』という伝説を傍目に、一旦偏見無しで聴いてほしい。いや、マジで良い曲なんだって!今や毎日これを聴きながら通勤してるからね……俺をそんな目で見るな!!
その他にも、「Pica Pica」や「DearMyFriend」などのゼロ年代オルタナを濃厚に感じさせる楽曲や、爽やかながらも詩の深みを感じさせるギターロック「在りし日のために」のような良曲揃いでおなか一杯。
興味を持った方はゲームの体験版からやってみてね。やらないと人生損するレベルの傑作だから。

青葉市子 - 「マホロボシヤ」

マホロボシヤ(CD)

マホロボシヤ(CD)

何の話だっけ?あぁ、そうだ今年のベストアルバムだ。ちょっと(かなり)話が逸れてしまった。気を取り直して、これだけは外せないのが青葉市子の「マホロボシヤ」。
青葉市子は前回の記事でも取り上げたけど、彼女の作る音楽が本当に好きでね。このアルバムも期待に恥じない出来栄えだった。3年振りかつメジャー2作目となればさぞ豪華な内容なのかと思いきや、冒頭こそ多重録音のコーラスを聴かせてくれるものの、他は今までと何も変わらないどころか更に内省的になってしまった印象さえある。
「マホロボシヤ」というタイトルは造語だそうで、当初は自分でもよく意味が解らないまま使っていたのだとか。このエピソード、かなり市子ちゃんっぽいのだけど……さておき、何処か忘れがたい響き。
先ほど“内省的”という言葉を使ったけども、これは適切ではないかもしれない。それは、彼女の紡ぐ物語は少しずつ大きくなっているように思うからだ。リリースまでの3年の期間に彼女がどの様な経験をしてきたのか知る由もないが、それでも、彼女の血肉となった“何か”を感じずにはいられない。
肌の温もり、息遣い、そんな物を感じさせる彼女の音楽に、やはり心が震えてしまう。

Andy Stott - 「Too Many Voices」

Too Many Voices

Too Many Voices

最後に海外の作品も紹介。ベースシーンからAndy Stottの新作をば。
2012年の大傑作「Luxury Problems」を経て、暴力的な歪みとミニマリズムは2014年の「Faith In Strangers」で一旦ピークを迎える。「Luxury Problems」の淑やかさと比べ、「Faith In Strangers」は実験的かつあまりにも不愛想だった。それから1年半の時をかけてリリースされた本作。一聴した感想は“一皮剥けたな”といったところだろうか。エクスペリメンタルな要素と、元来持っていたキャッチーなセンスが見事に同居した作品に仕上がっている。
「Luxury Problems」の成功は彼にとって決して良い面だけではなかったと思われる。元々ミニマルダブ出身だった彼がインダストリアルに接近した結果、何故かベースシーンの寵児へ祭り上げられ、それを嘲笑うかのような「Faith In Strangers」でのグロテスクなベースサウンドは正直ちょっと聴くのがしんどかった。本作で色々折り合いがついたのかな、などと勝手に想像してみたり。
彼の暴力性は常にスレスレのところにいて、ふとした切っ掛けでそのサウンドは美しく、あるいは醜く変貌してしまう。それ程に繊細な音を出すプロデューサーが今、シーンにどれだけいるのだろうか。

まとめ

ゲスの極み乙女とか、ラブリーサマーちゃんとか、同人界隈ならsakuzyoとか、他にも上げたいものはあったのだけど、結局はこのようなセレクトに。並べてみると一貫性が無さすぎて自分でも呆れ気味……
一つだけ、これは言っておきたいのだけど、Radioheadの「A Moon Shaped Pool」はそこそこ評判が良いみたいだけど、個人的には絶対年間ベストに入れるような作品じゃない。ここで多くは語らないが、常に前進してきた彼らが遂に歩みを止めた作品だと思うから。思い入れの強いバンドだけに過剰反応してしまうのよね……。
ともあれ、今年も素敵な音楽に沢山出会えたのだなぁと改めて思った。大変喜ばしいことだ。
2017年も良き出会いがありますように。