読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

本日のDIG ~良曲を探せ~

音楽って素晴らしい。

新録版「ソルファ」でアジカンを“再発見”する

日本人 Rock Youtube

www.youtube.com

先日、ASIAN KUNG-FU GENERATIONことアジカンのボーカリストである後藤正文のエッセイ集「何度でもオールライトと歌え」を読んだ。次に何を読もうかと本屋をブラブラしてた際に出会った書籍だ。ジャケ買いならぬ“タイトル買い”である。「何度でもオールライトと歌え」良いタイトルだよね。この本が久々にアジカンというバンドに触れる切っ掛けになった。

アジカンがデビューしたのは俺がロック音楽を聴き始めた時期と重なってて、デビュー直後から派手に売れてたからよく覚えている。実際、当時は良く聴いていた。
でも聴いていたのはシングルで言えば「君の街まで」で、「ブルートレイン」が出る頃には確かBlankey Jet CityとかThee Michelle Gun Elephantなんかの90年代ロックに夢中になってて、俺の中のアジカンの記憶はせいぜい「ワールドアパート」で途絶えている。

そこで前述した後藤の本だ。これはそこそこ面白く読めた。3.11以降の後藤は政治的発言が増えて叩かれることも多くなった反面、メッセンジャーとして支持されるようになったと思う。ツイッターでも長年代表的なアカウントの一つだし。
著名人としての後藤と、一個人としての後藤が良い感じにせめぎ合ってて、非常に人間臭い本という印象。これはファンじゃない人が読んだ方が面白い内容なので、興味がある方は是非。
何度でも書くけど、「何度でもオールライトと歌え」は良いタイトルだ。

何度でもオールライトと歌え

何度でもオールライトと歌え

んで、この本を読んだ事でアジカンの近況を調べるに至ったわけです。オフィシャルサイトで今後のリリース情報を見ると「ニューアルバム ソルファ 11.30リリース」と書いてある。
この時、一瞬目を疑った。だって「ソルファ」は10年以上前にリリースされたアルバムなのだから。よくよく見てみると、なんと新録版という事らしい。日本のメジャーバンドとは思えない冒険というか、海外でもあまり聞いたことのない事例でかなり驚いた。
「ソルファ」は丁度自分が聴いていた時期のアルバムで、これは振り返るに丁度良いかもしれない、と思い予約(今思い返すとこの時点でバンド側の思惑に嵌っている)。先日の発売日に無事入手することとなった。

旧「ソルファ」は手元にないし、10年以上前に聴いていた音源なので正直内容はあまり覚えていない。なので比較は出来ないのだけど、この新録版「ソルファ」はハッキリ言って滅茶苦茶良いアルバムだ。当時の楽曲の良さはそのままに、安定感のある演奏と、最新のライブパフォーマンスを反映したと思われるツボを押さえたリアレンジ、そして何より音が半端じゃなく良い。
楽曲に懐かしさを覚えつつも、演奏や音質から“大人になったアジカン”を感じさせる。単に過去の焼き直しをするのではなく、現在進行形の良さを感じさせるんだよね。そこがかなり大きい。

そして、敢えて言おう。この新録版「ソルファ」は懐古厨を狙い撃ちにしたアルバムであると。ターゲットは10代に当時のアジカンを聴いていて、今は聴かなくなった世代。つまり俺のことだな。
今のアラサーにとって、アジカンはかなり印象深いバンドのはずだ。そしてアジカンと聞いて思い浮かべるのは大概「リライト」のサビ「消して~♪」のシャウトでしょ?売上的にも当時がピークだし、皆が知ってるアジカンはやっぱり「ソルファ」だったと思う。今回のリリースで改めてアジカンを聴いた人ってそこそこいるんじゃないだろうか。
そして聴いたら思うはずである。“アジカン良いじゃん!”と。そう思わせる力がこのアルバムには宿ってる。
WEEZERゆずりのパワーポップサウンドと、日本人らしいメロディーラインと、J-ROCK的な大仰なキメ。こんなん良いに決まってる。そしてセルフプロデュースという事実も驚異的だ。
加えてNANO-MUGENフェスからも分かるシーンの牽引力と、中村佑介起用などのセルフブランディング力。よくよく考えたらアジカンって化け物なんじゃないか。

このアルバムを通じて俺はアジカンを“再発見”するに至った。そして今後のリリースに食いつくのだ。まんまと思惑に嵌った形である。きっとバンドもほくそ笑んでることだろう。

ただし、記事のてっぺんに張り付けた新録版「リライト」のMV。あれはいくらなんでもダサすぎるんじゃないだろうか……背後のエキストラが気になって仕方ない。
でも後藤は「何度でもオールライトと歌え」と言っているからな。多分大丈夫だ。

ソルファ (2016)(通常盤)

ソルファ (2016)(通常盤)